繊細で心配な長女とアホで可愛い次男・・・猫の場合(旧cakes連載記事)

うちには今「サイベリアン・フォレスト・キャット」という種類の猫が居ます。

「大きくなるし犬っぽい性格」というのと、「猫アレルギーの人も大丈夫(個人差あり)」というのが、本当は犬派の夫と猫アレルギーの友人が何人かいる私がこの猫と暮らすのを決めた理由でもありました。

18年間飼っていたビーグル犬と涙の別れをして、この猫を飼うことになった経緯は以前にも書きましたが、その後、自粛生活が始まり、サリー(という名前です)に沢山癒してもらっている話も書きました。(「育犬ノイローゼ」「やっぱり猫が好き」参照)

サリー

そしてこの可愛いサリーが私にしか懐かず、不測の事態でほぼ在宅になってしまった夫が、「もう1匹欲しい」(自分に懐く猫が欲しい)と言い出したところまでで前回の猫話は終わっていました。

あれから月日は流れ、もはやもう自然な流れでうちには2匹目のサイベリアンがいます。(!)

2匹の猫

サリーを飼う時にお世話になったペットショップに、「もうそろそろ大人用のフードに切り替えた方が良いか」などを相談しに、半年振りに伺った時に、居たのです!

その後、サリーの弟となるサイベリアンが。

「わりと成長してる〜!」こんな言い方は動物にしてはいけないと思いますが、「売れ残ってる〜!」感じで居たのです。

サイベリアン自体ちょっと珍しい種類なので、そんなに頻繁に入ってこないらしく、2匹目を考えていた私達家族にとってうっすら浮かぶ、「運命」という2文字・・・。更に畳み掛けるようにショップ店長さんからの、

「この子が今までここにいたのは、お客様がいらっしゃるのを待っていたからかも知れませんね。」というセールストーク。

「え、めっちゃ上手いこと言いますやん。」と、関西弁の心の声がダダ漏れの私。

その、サリーとはまた全く違う色合いの活発な子猫に釘付けの夫と息子・・・。

「次は保護猫にしようね。」と息子と話していた事を思い出しましたが、(この猫だって売れ残ってしまったら、どうなるのかわからないし・・・)と自分の都合のいいように理論をすり替える邪悪な大人達。

とまあこのような感じで、うちにきたオス6ヶ月の猫は、散々議論した挙句、「アントン」と名付けられました。

夫はサイベリアンがロシア原産ということから、ロシアっぽい名前の、「ワーニャ」がいいと言い、私は「サリー」と似た音の「トミー」が良いといい、息子はサリーがサイベリアンの「サ」から取ったから次は「ベリ」からとって「ベリー」が良いと、それぞれ結構強めに主張します。

これは、家でうどんの食べ方の好みが、「冷やしうどん」、「ざるうどん」、「釜玉うどん」とバラバラになるからめんどくさいけど誰も譲らないから3種類作るという、うちの家族の特徴かも知れません。

でも今回は、それぞれ違う呼び名で呼ぶ訳にはいきません。

私は、「ワーニャ」は、いきなりおじさんみたいやし、(「ワーニャ伯父さん」という有名な戯曲があるので)「トミー」だとサンドイッチマンの富澤さんみたいやし(自分で言っといて)、「ベリー」は女の子みたいやし、昔私が仕事でお世話になっていた雑誌「VERY」を連想してしまうから(私世代の女性だけやけど)どうかなぁ・・・という感じです。

サリーの時は息子の意見であっさり決まったのですが、今回は「上の子」とのバランスもあるので、悩ましい。

うちは一人っ子だけど、兄弟のいるご家庭では名前をつける時、一人目より二人目の方が悩んだりするのかなぁ・・・私(陽子)は私が生まれた年の一番多い名前で、姉は姉が生まれた年の一番多い名前だったからうちの両親はきっとそこまで考えてなかったやろうけど・・・とか全然関係ないところにまで思考が飛びます。

そんな中、スマホで「ワーニャ伯父さん」を調べた時に出てきた作者のアントン・チェーホフに目が留まりました。

あれ?最近めっちゃ聞いたな、この名前・・・そうだ!今回コロナの影響で公演が中止になった夫の舞台「桜の園」を書いたのもこの人だ!しかもロシア人。

チェーホフではイメージが高尚すぎるから、「アントン」は?

全く違う方面から出てきたこの名前に、なぜか一同納得の様子・・・。

多分コロナがなければ2匹目をこんなにすぐに飼う事はなかったし、ひと月まるまるお稽古した夫の舞台が全公演中止になった、その作者の名前からいただくのも(ロシア繋がりもあるし)なんか、思い出(?!)になって良いのではないかと。

そして「サリー」と「アントン」だと猫も呼ばれた時に違いが分かりやすいのでは?

そういえば、あの子「アントン」っぽい顔してたわ・・・人間って自分の都合のいいように思考回路がどんどん変換出来るようになっているのですね。

アントン

無事に名前が決まったアントンは生後2ヶ月ほどでうちに来たサリーとは違い、もう6ヶ月くらいの大きさで、オスということもあってか、骨太で既に安定感があります。

初日はずっとゲージで不安げに過ごし、お腹を壊し気味だったので食事も缶詰やら栄養のあるシロップやらで少〜しずつ食べていたサリーとは違い、うちに到着した途端にドライフードを「アムアム」(美味しい美味しい)と言いながらバクバク一気に平らげました。(動画が見たい方はコチラ↓)

https://twitter.com/yokonama280

更に、環境の変化に慣れるまで1週間くらいかかったサリーとは違い、家族の誰でも近付いただけでゴロゴロと喉を鳴らし、擦り寄って来ます。

あ、比べてばっかりしたらあかん!

明らかにサリーの時よりも「ほっといてもあの子は大丈夫」ってなってるし、写真も少ない・・・下の子の宿命。

あかんあかん!子供達はみんな平等に愛さねば!と、なぜか息子を長男と考えて、三人の子を持つ親の心境になる私。

それにしても・・・あまりに違いすぎる2匹の性格・・・。

アントンが来た途端、サリーはもう9ヶ月も先にこの家に居るのに、ビックリして、ビビりまくって、リビングのドアの入り口から入って来れなくなり、明らかに「ガーン」という音がぴったりな表情で緊張しながら半分覗くような格好で固まってしまいました。

ガーンってなってるサリー 柱がボロボロなのは以前飼っていたビーグル犬の仕業

「なんで?サリーがお姉ちゃんなんやから隠れんでいいんよ。おいで!」

と言ってもなかなか入って来れません。

それどころか、アントンが近づくと、「シャー!」と今まで見たことがないような怖い顔で威嚇するのですが明らかに「弱い犬ほどよく吠える(猫だけど)」状態・・・。母としては痛々しい。

聞けばサリーとアントンは同じブリーダーさんから来たらしく、関係性は母同士が姉妹という、従兄弟でした。

が、ペットショップに到着してまだ「裏」で慣らされていた期間にうちに連れて帰られたサリーと、「表」に数ヶ月間いて、色んなお客さんやショップスタッフに可愛がられて来て、更には他の犬や猫とも長期に渡り交流があったアントンとは、全くコミュニケーション能力が違うのです。

いや、元々の性格もあるのかも知れませんが、アントンの良く言えば天真爛漫、悪くいえば傍若無人な振る舞いには、(え?本当に従兄弟なの?)と疑いたくなる程です。

サリーが「箱入り娘」だった事を改めて実感。

サリーが大事に使っていたネズミやボールのおもちゃはことごとく破壊していくし、サリーのお気に入りの場所はどんどん占領していくし、サリーの分のご飯まで取りに行って食べるし、私の有線イヤホンのコードもあっという間に切断され、使えなくなりました。

あんなに穏やかに過ごしていたサリーとの朝のまどろみの時間にもゴロゴロゴロゴロと大きく喉を鳴らして入って来て、更には「ニャオーン!(お腹空いたー!)」と、朝ごはんを強めに要求して来ます。

戸惑う私とサリー・・・面白がる夫と息子・・・。

しかしながら、「出来の悪い子ほど可愛い」とは猫にも当てはまり、「アホやなぁ。」(関西では褒め言葉)と、どんどんアントンワールドに引き込まれる家族。

顔立ちの整った姉とは違い、鼻の横のひげが生えている部分が「ブン!」と大きめで更にそこが白いので目立ってなんだか下膨れみたいに見えます。夫は露骨に、

「アントン、ブサイクやなぁ、ワハハ。」と笑います。(これも関西では「おもろい(面白い)」に繋がるので時には褒め言葉)

鼻の横が大きいアントン ヨガブロック破壊中

サリーもそのうちに「アホは相手にしてもしゃあない。」と思ったのか、広い心で色んなアントンの悪行を見逃し、まあなんとか距離を詰めることが出来るようになって来ました。

アントンの凄いところは、うちに来たエアコン修理業者や宅配便の人にまで足元に擦り寄り、撫でられてもないのにゴロゴロする事です。もちろんサリーは「知らない人」が来ると警戒してどこか見えないところへ避難していなくなります。(多分こっちが猫では主流)呼んでもないのに甘えて来る子猫におじさん達はもうメロメロで、「人懐っこいですね〜。癒されるなぁ。」とアントンを抱っこしたり撫でたりします。

まさにセラピーキャット・・・ご近所でそういうボランティアをされている方がいらっしゃるので、デビューさせようかと真面目に考えている母でした。

そのうちヨガ動画にも登場させて、最近始めたTwitterにあげるつもりです。

ハッシュタグの付け方間違えたり、直メッセージの返信を共通の方にあげてしまったり、いまいち使いこなせてないけど、3人くらいの方の癒しにはなるかと・・・^ – ^。