モノの値段について書きます。
関西の人(大阪だけかな)は、「ええもんを安く買う」事を結構重要視します。
「ええもんを高く買う」のは当たり前だから、それを自分の努力や工夫でいかに安く手に入れる事が出来るかを考えて、更にそれがうまくいったときにはそのことを堂々と自慢します。
「こんな良いものをこんなにお得に手に入れる事が出来た!」という事は自分の手柄なのです。
関東の人(東京だけかな)はどうでしょうか。
もしも何か良いものをお得に買えたとして、あえてわざわざ自分からは伝えないのではないでしょうか?
何でやろか・・・。
見栄張りなんかな。それとも安く手に入れた事が若干恥ずかしい事で、出来れば人に知られたくないんやろか。
これはもう、文化や環境の違いなので、何とも解決方法がありませんが、私はやはり関西気質のため、いくら東京の生活の方が長くなっていると言ってもなかなかその「癖」が抜けません。
そしてついつい、
「これ、セールでめっちゃ安かってん!」と、自慢げに伝えてしまいます。
反応は人それぞれですが・・・。
全くおんなじ物が手に入るなら、お得に購入出来るに越したことはないやん、と思います。
「お得」というキーワードに異常に弱い。
しかし最近はやたらめったら「お得」が多いように思います。
何かを買えば「次回使える」クーポン券をもらいます。
この、「次回」というのがみそで、その500円割引券はその場では使えず、次回のお買い物でのみ、(しかも5000円以上、ひと月以内などという縛り付きだったりする)使えるのです。
それをもらった瞬間から、私の中で期限日までのカウントダウンがスタートし、そわそわし始めます。
そして、使い忘れないように、なるべく早く使おうと、次にそのお店で欲しいものがないか考え始めます。
しばらくして手帳に挟んであったそのクーポン券を無事に使えた時はほっとします。
が・・・果たしてその2回目に買ったものは「ほんまに欲しかったもの」だったのか?!
更に言えば「必要なもの」だったのか?!
今はキャッシュレス決済で5%還元キャンペーン中のお店が多いです。
「還元」に惹かれた私は早速、王道の「PayPay」を入手。
ですがこれによるトラブルが少なからずありました。
まず出先のコンビニで使おうとした時、「PayPay、使えますか?」と、携帯を差し出しました。
六本木のお店だった事もあってか、その時お店に居た店員さんは外国人。
「ダイジョブでーす」と、明るいアジア系のヤングな店員さん。
ではこれで、と携帯を差し出し、「♪ペイペイ!」とちょっと恥ずかしい機械音が端末から流れ、私の携帯には「支払済み」の文字が。
うまく出来た!実は初めて使うので若干ドキドキしていた私。
ほっとして購入したパンと飲み物を持って外に出ようと入り口付近まで行ったその時、
「お客さーん!チョトマテくださーい」
と、先ほどの店員さんに呼び止められました。
「え?なんですか?」
「チョト支払いが出来ていません」
「あれ?私の携帯には支払い済みと出てますけど・・・」
「すみません、チョト来て下さい」
と、レジまで戻されました。
どうやら、カウンターの内側の画面では未支払いの状態になっているようです。
そう言われても・・・。
ヤング店員さんが奥にいる中堅どころ風店員さんを呼びに行きます。
まさかのその方もアジア系外国人。
ふむふむと頷き、私に向かって
「すみません、お客様ー。システムアタラシです。テンチョーに電話します。少しお待ちくださいませ」
と、丁寧に言われました。
(店長、おらんのかーい!これは時間がかかりそうやなあ)と嫌な予感がしてきた私は、先ほどのヤングさんに自分の携帯画面を見せて、
「これ、支払済みってなってますよね。この画面を写真撮ってもらって良いので・・・私、急いでるんですけど・・・」
と、本当はそこまで急いでないけど、後ろに並んでいるお客さんも居るし、何だか恥ずかしくなってきたので、とにかく早くこの場を立ち去りたいと、主張を始めました。
「わかりました」と、素直に自分の携帯で写真を撮ったヤングさん。
そして
「お客様ー。大変モシワケないですが、お客様の住所とデンワ書いて下さい」
(しっかりしてるな、この子、大学に交換留学とかで来てる子かなあ)と余計な事を思いながら、渋々ペンを持ちましたが、(うーん、こんな場面で個人情報を流出させる必要はあるかなあ。ここは2重払いになっても現金で支払う方がリスクが低いかも)と、考え込んでいたら、先ほどの中堅店員さんが電話片手に奥から、
「ダイジョブよー。お客様ー、店長OKよ。お帰りくださーい」
という声が。
「え?いいんですか?すいません」
と、何だか無銭飲食をして今回は店長の温情により見逃してもらった情けない人、みたいな気分で逃げるようにその場を立ち去りました。
いくらだったか正確には覚えていませんが、こんな事になるなら、最初から普通に現金で支払っておけばよかった。
500円だったとして5%還元で25円のために、しかもいつ付くのかよく分からないポイント還元のために、このタイムロスと羞恥心・・・。
こんな事もありました。
その日私は仕事前にネイルをきれいにする必要があり、行きつけのサロンへ。
時間短縮のため手と足のネイルを同時施術でお願いしました。
さて支払い時、レジ横に、例の赤い「P」のマークを見付けた私は
「コレ導入したんですか?」と、まるで自分は使い慣れている人のように、聞いてみました。
「そうなんですよー、ポイント還元もあるし、是非ー」と言われ、、
「じゃあこれでお願いしまーす」とおもむろに携帯を取り出しました。
「はーい、ではちょっとお待ちくださいねー。えーっと・・・」
と何やら伝票を書き直し始めた私と同世代の店員さん。
現金支払いとキャッシュレス支払いではお店の割引率が違うのかな・・・そうなると結局トータルの料金的には変わらなくなるのかな・・・。
などと色々思いを巡らせ始めた私ですが、とにかく「PayPay」慣れしたいからと、待っていました。
そしてようやく携帯をお店の端末にかざし、また何とも言えない機械音「♪ペイペイ!」が流れ、今回はうまくいった!と思った次の瞬間、
「あれ?金額が・・・あれ?」とあわてる店員さん。
どうやら表示された金額が、ハンドの料金でもフットの料金でもなかったらしく、プチパニック。
何事でしょうかと奥から現れるヤングだけど冷静な店長。よかった、店長いてくれて。
「あらら・・・どうしてでしょうか・・・?!」
「あのー、時間かかりそうですか?そしたら現金でお支払いしますが・・・」また逃げ出したくなる私。
「大丈夫ですよ。では合計金額から今精算された金額を差し引いて入力するやり方で」
と、私の携帯からバーコード画面を出すよう誘導してくれて、金額入力を指示通りに私が行い、解決。
さすが冷静店長!ありがとうございます!
フー。
お店側もまだ慣れてないから、こういう感じになりがちなんだなあと。
今のところ、キャッシュレス決済に関しては、かえって時間がかかることになっている私。
しかしその日、私には更にこのシステムを使いに行かねばならぬ場所があったのです!
ユニクロです!
そう、「PayPay支払いで、ヒートテック1枚買うともう1枚無料」というCMがあったのを覚えておられる方も多いかと思います。
私がPayPayアプリを入れたきっかけになったと言っても過言ではありません。
ユニクロと経産省の思い通りに動く私。
これがまたややこしくて、まずPayPayアプりのみならず、ユニクロアプリも入れなくてはならないのです。
まずユニクロアプリでクーポン券を取得、店員さんに確認してもらって、その後PayPayで支払うという・・・。
私はとりあえずヒートテック2枚持ったものの、なんかこれだけだと気まずい気がして、必要な(ほんまに?)部屋着などをカゴに入れてレジへ。
今日はさっきも使ったばかりだし、大丈夫なはず、と、レジでまずはユニクロアプリからクーポンを出し、順調に店員さんにチェックしてもらい、お会計へ。
するとユニクロの端末にも私の携帯にも、「お支払いできません」の文字が・・・。
ガーーーーン・・・(ショックすぎて昭和表現になる私)
もおええわ・・・と一瞬諦めかけましたが、いやいや、ここで引き下がっては負ける気がする!(何に?)と踏ん張ります。
「さっきも別のお店で使ってきたばっかりなんですけど」
「おかしいですね。少々お待ちください」と、インカムで店長を呼ぶ店員さん。
もー、絶対店長呼ばれるやん、私。
現れた男性店長、画面を見て、
「うーん、限度額の設定かなあ」
「え、そうなんですか?!やり方教えてください」
「いや、それはこちらではわかりかねます」
えーーーーー!もうクーポンは使用済みになっているのに、支払いが出来ないから結局このサービスは受けられないのでしょうか?!
「お客様のお名前をいただいてよろしければ、誰でもわかるようにこの店舗内で共有しておきますが」
ここでも個人情報を求められる羽目になった私。
しかも家からまあまあ近いこの店舗の店員さん全員に、「PayPay特典でヒートテックを1枚無料で手に入れようとして失敗した鈍臭い主婦」という認識で名前を覚えられてしまうというハイリスク・・・。
「うーん。ちょっと考えます」
と、よくわからない返事をして、とりあえず、ついでに買おうとしていた部屋着などを現金で支払ってその場を離れて来ました。
どうも納得がいかない私は帰りの電車の中でアプリの利用規約を細かく確認していると、老眼鏡がないと読みにくいくらいの小さい文字で、ありました!
「1日の利用限度額は2万円までです」
えーーーーー!知らんかったーーーーーー!
ということは、ネイルサロン施術代+ユニクロ商品代が、2万円を越えてしまったから、使えなかったのか。
ん?ということは、もしもあの時変な見栄を張らずに、ヒートテック2枚だけをレジに持って行っていたら、店長を呼ばれる事もなく、すんなり特典ゲットで気持ちよく帰ってこられたのか。
誰か教えてー!
もしもあの時店員さんか店長さんか、後ろで並んでいたお客さんか(!?)誰でもいいから、
「一日2万円までですよ。前の買い物で限度額に近い額まで使ってしまっていたら、今日は無理かもですよ。ヒートテック代だけPayPayにしたら大丈夫なんじゃないですか?」
と、言ってくれていたら・・・いやいやいやいや、人のせいにしたらあかん。
っていうか誰も知らんかったんやな、この仕組み。
謎が解けたスッキリ感はあったものの、その後に訪れるなんとも言えない敗北感・・・。
羞恥心やら敗北感やら味わっているだけで、私にとってはロクな事がないPayPay・・・。
それでどれだけ得をしたのだろうか。
本当はお得にヒートテックを欲しかっただけなのに、余計な服を(もう余計って言ってしもてるし)現金払いして来ただけやん。
そもそもヒートテックは実家から遊びに来て私のクローゼットを見た母に、「売るほどあるやん」と言われていたし、毎年買わなあかんという決まりもないし・・・それ自体必要だったかどうか分からん。
クーポンやらポイント還元やらに振り回され過ぎちゃう?私。アホやん。
これからは必要なものかどうかをきちんと考えて行動しよう
と心に決めた翌日に、友人とランチをしている時、
「あれ?今日、ステラおばさん、クッキー詰め放題の日じゃない?!行きたーい!」
と思い付き、いそいそとクッキーを詰めに行き、
「880円で1244円分買えたー!」
「私は1620円分!」
「すごーい!上手ーーー!」とはしゃぐ主婦2人。
本当にクッキーが食べたかったのか、詰めやすい形状にこだわり、好きな味じゃないものも詰めていたのではないか・・・は、さておき、
「全部美味しい!」
と、これに関しては全く反省せず、次回行く約束までしている体型の割に脂肪肝の47歳の私でした。
余談ですが、「ステラおばさん」のことを大阪の女子校時代「ステババ」と言っている友達がいました。
それは、なんぼなんでも、あかんやろ・・・。