関西弁の威力(旧cakes連載記事)

関西弁はよく響く。

レストランや電車の中で、耳につく。

2人で話していて、1人が標準語だった場合、まるで1人で喋っているようにすら聞こえる。

関西の人はなぜか声が大きい。
そしてなんかドスを効かせる、文化?!

私は大阪でもわりと真ん中の地域で生まれ育ったいわゆる「コテコテ」です。
その環境が当たり前と思って、18歳まで過ごしてきました。

29年前、18歳でモデル業を専業とするため上京、一人暮らしを始めました。

まず、電車の中の静寂に戸惑い、「なんかあったんかな?逆に。」とか思っていました。

まだ、ダウンタウンも(夫も)大阪で活躍していた時代、モデル事務所からは「オーディションでは標準語で話すように。」と、指示を受けていました。

徐々に増えていく仕事のなかで会うモデルさん達の、なんとか細くふわふわした可愛らしい標準語!今思うとかなり恥ずかしいですが、ちょっと私もまねしてみたりしていました。

そしてどんどん時は流れ、テレビで関西弁をガンガン喋る人はほぼさんまさんだけだった時代から、ダウンタウンが台頭し、女性では久本雅美さんなどが大人気となり、テレビから関西弁が流れてくるのが日常的になりました。

今では、若いタレントさんや美しい女優さんまでもが、あえて関西弁を使ったりしています。

あれ?私、、、矯正させられたのに、今更「そっちの方が面白い。」みたいになってるやん。

なんでやねん!

最近たまにですが、テレビに出演させていただく機会があり、そんな時、少なからず、迷います。

ん?今回どっちで?

もはや東京在住期間が大阪時代よりも約10年も長くなっている私、はっきり言って、どっちも完璧にスムーズに話せます。

打ち合わせの時、番組プロデューサーさんの中には、「その顔で関西弁は意外性があって面白いですね。」(←関西弁喋る人どんなイメージ?!)などと仰られる方もいます。

大阪在住の姉は、「なんか下品な印象になったら嫌やから、(←これまた関西人に失礼)標準語の方がええんちゃう?」とか言います。

えー、もーわからへんわ!

結論、話す相手が標準語の時は標準語で、関西弁だったら関西弁にします。

なぜならそれが、私の日常であり、自然な姿だから。

でも、、、最近出演させて頂いた3番組、MCはダウンタウンさん、千原ジュニアさん、さんまさんと全員見事に関西出身の芸人さんでした。

結果、勿論私は全て関西弁でのトークとなりました。

とても楽しかったです。

テレビ慣れしていない私が、なんだかいっちょ前に自然に話せていたのも、同郷の言葉からもたらされる安心感、ノリが一緒という空気感のお陰だったと思います。

MCのみならず、出演者の方々の中にもかなりの確率で関西人が存在する現実を肌で感じました。

大阪出身者としては、単純に嬉しかったです。

関西のみならず、東京在住だからといって標準語に合わせていく時代は終わっていくのではないかな、、、博多弁も東北弁も名古屋弁も、みんなとても可愛らしく魅了的だと感じる今日この頃です。

とはいえやはり、関西弁の持つ独特の迫力、感染力(←言い方!)の強さは否定しません。

えらいこっちゃ!(ここ30年で東京進出が目覚ましい関西弁に対する感想)