最近は「歳をとる」ことを、「年齢を重ねる」などと言いますが、
どんなにオブラートに包んだ言い方をしても、それは誰にも止められない現象として、全人類が受け容れなければならない事実です。
私は幼い頃から視力がとても良く、両目2.0。
それは今でも健在で先日の人間ドックの際も同じ結果が出ました。
が、視力が良いと老眼が早いとはよく言ったもので、40歳を過ぎた辺りから、文庫本が読みづらくなり、はっきりいつからかは忘れましたが、今では家でスマホやパソコンを見る時も老眼鏡をかけていて、見当たらないと「メガネ、メガネ」と、往年のやすし師匠のネタのようになり(わかる人だけわかってください)、「あ、頭に乗っけてた!」と、磯野波平さんのようになります(同上)。
見えにくいのみならず、目がかゆい。
目だけでなく、肌もかゆい。
それで眼科に行っても皮膚科に行っても、
「あ、それは加齢による乾燥ですね。」
と、ヒアルロン目薬やら、皮膚科で安く手に入る保湿クリームとしてネットで話題になり、みんながもらいに行き過ぎて、このままでは本当に必要な患者さんが品薄で手に入らなくなったり、保険対応出来なくなる可能性があるのでそういう行為はやめましょうとニュースで注意を呼びかけられたヒルドイドクリームを、本当に必要な患者さんとして処方されます。
実家の母は、内科に行っても歯医者に行っても
「それは加齢による症状ですね」と言われるらしく、
「何でもかんでも、加齢によるもんや言うたらええと思てはるんちゃうか」
といちゃもんをつけがちですが、多分、先生が正しいと思われます。
このような具体的な身体的症状以外に困るのが、
記憶力の低下など、目に見えない老化現象(字にするとなんかヤダ)です。
階段を上がったら、2階に何をしに来たか忘れる、なんて、若かりし日は母の冗談かと思っていましたが、今、私、かなりの確率でそうなっております。
下手したら、忘れるんちゃうかな、と思いながら階段を上がっております。
あとは、物をなくす。大事なもの程どこへしまい込んだかわからなくなり、やっぱり片付けんと出しっ放しにしといたらよかった!と思うこともしばしば。
片付け下手は今に始まったことではない気もしますが、確実に悪化してます。
以前家の金庫の鍵がないと、主人が言い出し、
「え?!いつものとこにない?」
「ないで。またどうせどっかに置きっ放しにしてるんちゃうん?」
「えー、全く覚えてない。金庫を開けた記憶もない。あなたじゃないの?」
「絶対ちゃう。僕は絶対に使ったら元のとこに戻すし!」
「ほんま?ごめん。ほんならやっぱり私かな」
と、2人で家中を探しまくりましたが、(主に私のバッグやら上着のポケットやらが疑われ)一向に見つからず、
「だからスペア作っとけって行ったやん!」
「作りに行ったけど特殊な鍵やからって断られたって言ったやん!」
などと、探し物が見つからない時のイライラモードが最高潮に達した頃、夫が
「うわ!・・・ほんまにごめんなさい」
と言いつつ、自分が着ている上着のポケットからクマのキーホルダーについた金庫の鍵をそっと取り出しました。
・・・・・・。
普段の自分の行動へのあまりの自信のなさから謝ってしまった私と、自分の記憶力を過信し過ぎて超かっこ悪いことになってしまった夫・・・そこに漂うなんとも言えない情けない空気・・・。
はい、そうですね。加齢によるものです。
一番反省するのが、人の顔と名前がなかなか覚えられないこと。
息子の学校行事やご近所で、あちらは完全に私のことを知ってる風にご挨拶して下さっているけど、えーと、どちらのどなた様でしたっけ・・・と、頭をフル回転しても全く思い出せず、とにかく先方と同じくらいの親しみやすさとテンションでにこやかに頭を下げる私。
こういう技は、確実に上手くなっています。
モデルになって早29年。
私が20代の頃に、
「今日から入社しました新人マネージャーです!」と元気にご挨拶しくれた女性が、今や会社の中でもだいぶ偉い人となっていて、なかなかお電話も繋いでいただけません。
っていうか、この年齢でまだお仕事を続けさせていただいているなんて、その頃は夢にも思っていませんでした。
時代の流れの中で、年齢を重ねた女性にもモデルのニーズが増えたのは大変有り難いですが、やはりお若い方々がメインのこの世界、申し訳ないような気持ちにもなります。
ひつこい?と思いつつ、やめ時もわからないアラフィフモデル。
携帯もなく、家の留守番電話とFAXでやり取りしていた頃が懐かしい。
今や仕事の詳細も地図も、コンポジット(宣材写真)もスマホのメールでやりとりしています。
が、それらを自宅でしっかりプリントアウトして、紙モノにしないと安心できない私。
恥ずかしながらスマホでラインを作るときも、文字をスライドして打つやり方に慣れず、やたらトントンしちゃってます(「う」なら「あ」を3回)。
数年前、母と温泉に行った時に
「ママ、なんかハンプティダンプティみたいになってるやん!ギャハハ」と笑っていたけれど、やばい、自分も微妙に体のラインがハンプティ化(手足の出ているところは細くなって、お腹周りなど真ん中が太くなっていく現象)してきていると感じる今日この頃。
「更年期肥満かしら・・・ホルモンバランスがねえ・・・」。なんてこんな時だけ加齢を味方につけて言い訳をしたりします。
その他・・・
手足をよくドアや壁にぶつける。
何もないところでつまずく。
青あざや虫刺され跡がなかなか治らない。
変な時間にやたら眠い。
スマホを家の中やバッグの中でなかなか見付けられない。
健康番組ばっかり見ちゃう。(これは別にいいか)
などなど、いくらでも出てきます。
しかしながら!!
吉永小百合さんのなんとお美しいこと!
デビ夫人のなんと若々しいお姿!
叶姉妹のなんとマーベラスに華麗な佇まい!
心からリスペクト致します。
などと憧れの方々に思いを馳せていたら、私も華麗に加齢していきたいなあと、変な駄洒落を思いついてしまい今回の題名にさせていただきました。
なんかごめんなさい。